2006年04月23日

メガネの住んでいるコントラーダ

今、メガネが住んでいるアパルタメントがあるのは「ヴィア・サンタ・カテリーナ」というところ。
場所的には、聖カテリーナの家のすぐそばになります(というか窓を開けて身を乗り出して左手を見ればすぐサンタカテリーナの家が見える位の距離)。
ここは、Sienaの地区区分で行くと「Oca(ガチョウ)」のコントラーダにあたります。
「コントラーダ」というのは、簡単に説明すると住民グループみたいなもので、日本で言うところの町内会になるのかな?
このコントラーダ、シエナではとてもとても大切にされていて(というかこれが無くてはシエナが成り立たない程の強い絆で結ばれている、一つの家族みたいな区分なのですよ)、全部で17種類のコントラーダが存在します。
自分がどのコントラーダに入るのかというのは、自分が生まれた場所で決まります。
そして一度決まったコントラーダは一生変わる事がありません。つまり、ここガチョウチームで生まれた人は、引っ越ししようが、結婚しようが、生涯ガチョウチームであり続けるのです。
ちなみに、外国から来た人は初めて眠った場所が自分のコントラーダになるそうで、メガネ達は6年前ヴィア・パンタネットで暮らしたので、ここガチョウではなく、牡羊さんチームとなってます。
なぜ、シエナではコントラーダが重要か?と言いますと、この17のコントラーダがシエナ最大の競馬のお祭り「パリオ」のチーム分けとなるからなのです。パリオで勝てば(勝てるのは1チームのみです)、そこ後一年はその喜びを分かち合いながら過ごせる程、シエナの人々は熱狂するのです。

今は4月ですが、これから7月初めのパリオ開催に向けてSienaの街ではそれぞれのコントラーダ(地区)で小さなお祭りが行われて行くそうです。
その一番始め、トップバッターがここオーカのガチョウチーム。
4月の30日にちょっと大きなお祭りがあるのですが、それまでこのガチョウ地区では少しずつ飾り付けなどが行われてお祭り気分を高めて行くそうですよ?

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これは、その飾り付けの一つ。
ガチョウのマークの入った電灯を朝、セッセと設置してました。
見ていると、ガチョウ地区全体にこのガチョウ電灯をつける模様です。

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2006年06月30日

パリオ(palio)というお祭りって?

6月の29日、つまり今日から古都シエナはパリオ(palio)一色に染まります。
7月の2日にあるパリオ本番までの4日間、シエナは普段とはガラリと違う顔になるのです。
でもここはパリオのためだけにあると言っても過言ではない街。そう考えると、このたった4日間が本当のシエナに逢える時間なのかもしれません。

さて、「パリオ」がどんなお祭りか皆さんはご存知ですか?
「馬が走るレースがあるんでしょ?」・・・となんとな〜く思っている方は多いはず。
確かに「競馬」ではあるのですが、「パリオ」はただの競馬ではないのです。
なんてったってシエナの人々の1年間の幸せがかかったレースなのですから!!(笑)

パリオの説明に欠かせないのが、これまで数回書いて来た「コントラーダ」。
シエナの街は、この「コントラーダ」(日本で言うならいわゆる町内会みたいなもの)で17区に分けられています。
そして町内会ごとに、ガチョウやサイ、塔やドラゴンといったチームを結成しています。
この「コントラーダ」が、そのままパリオの馬の所属チームとなるのです。
ここで、シエナの人々を燃えさせる要素が一つ。
「コントラーダ」はどのようにして決定するものなのか?
「コントラーダ」は自分で選ぶ事が出来ません。なぜならその人が生まれた場所で決まるからです。
例えばガチョウのコントラーダ、つまりメガネの住むヴィア・サンタカテリーナで生まれた子供は、みんな自動的に「ガチョウ」チームの所属になります。ええ、これは決まりごとであって覆す事は何人たりともできません。
同じコントラーダで生まれた子供達は「コントラーダの子供」として町内会で守られ、そして育てられます。
ここで、日本の町内会を思い浮かべてはいけませんよ?そんな甘い繋がりではないのです。コントラーダの繋がりは血よりも濃い切っても切れない仲なのです。
シエナの人々にとって「コントラーダ」とは第二の家族みたいなものなのですね。
しかも「コントラーダ」は一生替える事が出来ません。
引っ越しをしようが、結婚をしようが永久に同じコントラーダなのです。
そのため別のコントラーダの人と結婚した場合、パリオの時期はチームが対立して夫婦喧嘩が絶えないのだそうですよ?
そんなシエナでは同じコントラーダ内で育った幼なじみと結婚する場合が多いようです。
そう考えると、「コントラーダ」とは小さな街を守る一つの方法だったのかもしれませんね。
また、シエナという街が他の街に比べてかなり安全なのは、街全体がコントラーダごとに守られているからなのだそうですよ。みんなが知り合いの中ではなかなか悪い事なんて出来ませんもんね?
小さな子供から大人までが同じ憩いの場を持つ事で、子供達が非行に走る事も防いでいるんだそうです。
すごいですよねえ・・。
あ、ちなみに今書いている内容は全て生粋のシエナッ子に聞いたお話なのでホントのお話なのですよ?ふふふ。

お話が少しずれてしまったようですねえ。
ええと・・そんな「コントラーダ」が競い合うパリオは、年に2回、7月と8月に行われます。
このレースに参加できるのは17チームのうちの10チームだけ。
他の7チームはレースに参加出来ません。
年に2回パリオに参加できる幸運なチームもあれば、1回だけのチームもあるという事ですね。
そして、このパリオで勝利を手に出来るのは1チームのみ。
そんなの当たり前じゃない?と思われるかもしれませんが,本当に1位かそれ以外かなのです。
2位や3位、「参加賞」なんてものはもちろん存在しません。
そして、勝利の喜びはその後1年間ずううっと味わい続ける事が出来ちゃうのです。
1年間の楽しみのためなら、そりゃあもう燃えちゃいますよね?
しかも自分の家族が競い合う訳ですから、燃えるなと言う方が無理なのです。
これが、シエナのパリオというお祭り。何となくでもわかって頂けたら良いなと思います。

急激に訪れた猛暑のうえ、今日のプローバ観戦で日に当たりすぎてちょっと具合の悪いメガネ、かなりわかりにくい説明になってしまいました。ごめんなさい。
要するにコントラーダ10チームが競馬をし、勝利したチームが1年間の幸せを手に入れられる、パリオとはそんなお祭りなのだな〜と理解して頂ければと思います(笑)。

あ!肝心な事をもう一つ!
それじゃあ旅行者はどうやってパリオを楽しめば良いのか?
これはシエナを訪れる人にはとっても大きな問題ですよね?
もちろん旅行者も自分のコントラーダを持つ事が出来ます。
旅行者の場合もシエナの人々同様、初めてシエナに来て泊った場所が自分のコントラーダとなるのです。
自分のコントラーダを持つ事でパリオ観戦はより面白くなる事間違い無し!
ちなみに、メガネはヴィア・パンタネットに泊ったので「モントーネ(牡羊)」チーム所属。
散々書いておきながら「オーカ(ガチョウ)」では無いのですねえ。ふふふふふっ。

ということで、とっても簡単でわかりにくいパリオのお説明を終ります。
え?やっぱしこれじゃあ駄目ですか???
日本に帰ったらもう少し詳しくわかりやすく説明しますのでしばしお待ちを!!

とうとうパリオ開幕!!

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今朝、7時。
いよいよパリオが開幕!!
メガネも朝6時に起きてフラフラしながらカンポ広場まで見物に出かけてみました。

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で、そんな朝早くから何があるのかと申しますと・・・。
これこれ。
パリオに参加するコントラーダ10チームが自分たちのチームの馬を選ぶのです。
全部で30頭ぐらいの馬が広場に作られた馬場を練り歩きます。

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競馬で言うなら「パドック」でしょうか?(ってあってますか??)
馬主さんに連れられて、コントラーダの主要人物の前をパカパカ歩く馬達なのです。

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「どの馬が速そうだと思う?」
「そうだなあ、あれなんていいんじゃないか??」
なんて言い合っているのかいないのか、真剣に話し合う人々。

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2006年07月01日

メガネ死にかける!???

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とりあえず、暑気あたりでフラフラになりつつアパルタメントにたどり着いたメガネ。
待っていた相棒の「頑張れご飯」をムシャムシャ食べる事に。
でもなんだか食欲が湧きません。これはちょっと困った事になりそう。
なんて暑いの!!イタリアよ!!

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さっぱりサラダを食べて小休止。
ふう。
でも急いで出掛けないと、次はまたすぐにコントラーダによる馬と騎手の抽選会があるのです。
1時からだから急がなくちゃ!
自分のコントラーダに速い馬と上手い騎手が当たる事をひたすら願うセネーゼなのです。

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カンポ広場までの道すがら、オーカ(ガチョウ)チームの面々が話に華を咲かせてました。
丁度メガネが通る道にオーカの集うバールがあるみたい。
このオーカのポシェットが可愛らしいのです。
それぞれのコントラーダごとにTシャツや帽子、アクセサリーなんかを作ってるみたい。
まるで気分は学校の体育祭のような感じですよね?

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そうしてカンポ広場にたどり着けば、人・人・人、人の海とギラギラと照りつける太陽です。
既に午前中にフラフラになっていたのに、これはホントまずいかもと思ったメガネ。
普通の人でもグラリと来そうな日差し・・・。
体の弱っちいメガネには、今年のパリオはかなり厳しいものになりそう・・。
全部レポートできなかったらごめんなさい!!

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そんな中、沢山のセネーゼ達が集まって来てました。
いよいよ抽選会です。

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