メガネキョウダイ、つぶやく

「３３？？３３歳だって？くくくっ！全然違うよ！彼は２２！２２歳だよ？」
と、いたずらっ子のような笑顔で教えてくれたホリ君なのでした。

ふ〜ん、２２歳か・・・。

って！え？・・ちょ、ちょっと待って下さいね？２２歳？
今、貴方２２歳って言いましたか？？

「えっ！２２歳？ほんとのほんとのほんとに２２歳？？若く見積もって３３って言ったんですけど？」
と半ば詰問体制のメガネに、
「だからニコラス（おっさんの本名）は２２歳なんだ。信じられないかもしれないけど。」
とたじろぎつつホリ君。

「ええっと、２２歳？？ほんとに？嘘じゃなく、え？聞き間違い？
ベンティドゥエって・・・２２だよね？間違ってないよね？・・・・
おっさんが？あのおっさんが？どう見たっておっさんが！！２２歳の若者ですって！！
えええええええっ！！！！」
とまあ、台所はメガネキョウダイ驚愕の叫びで一瞬騒然となったのでありました（笑）。

ひとしきり叫んだ後にもやっぱり信じられなかったメガネ、
「２２歳って、ホントに？嘘じゃなく？？？絶対に？？」
とホリ君に詰め寄ったところ、
「うん、僕も信じられないんだけど・・・・残念ながら彼は若いんだよ。」
と苦笑い。
インクレディービレ！！（信じられない！）

ええもう、驚いたのなんのって、２８ぐらいまでならなんとか理解できたのですが、２２歳ですよ？２２歳！！
となりのマッチョ君と大差ないのに、そのあまりにも激しい違いはなんなのっ！！
これはもう、完璧なる詐欺なのですよ！！
マードンナ！

どう頑張ってもその真実が受け入れられないメガネキョウダイに、ホリ君が説明してくれたところには・・・。
実は「アバスタンツァおっさん」こと、ニコラス君２２歳（ジョーバネ）は、イギリスの名門校ケンブリッジをなにげに１６．７歳で卒業したらしい、いわゆる天才児君だったのです。
専攻科目は「哲学」。うん、見るからに哲学してるからね、彼は。
卒業後はその頭脳を駆使して仕事をしてるらしいのですね（現在はヨーロッパの風土について書いている作家らしいけど）。
「普通は２４．５歳で卒業して５．６年仕事してたら３０歳でしょ？彼は、１６．７で卒業しちゃったからね、同じ年月仕事してても２２歳なんだよ。だから年齢は若いけれど、中身は３０歳の人と変わらないぐらいの経験を積んでいるんだ。そのせいで見た目も落ちついてるんだねきっと。」
との事。
「な、なるほど・・・つまり若い身空で老成しちゃってるってことだね？」
と妙に納得してしまったメガネキョウダイなのでありました。
頭よすぎるのも、色々大変なんだね。

じゃあ実年齢は２２歳だけれども、そのアニモ（魂）はやはり「おっさん」？
てことは、「アバスタンツァ・おっさん」は「アバスタンツァ・おっさん」で間違っていないのですよ。うんうん。
人は見かけではなく中身ですからね。これでいいのだ！ふふふふふっ。

そんなおっさんはメガネにこんな事書かれているとも知らず、今頃アムステルダムのどこかしらでやっぱり静かに光合成している事なのでしょう。
頑張れ！おっさん！！！