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2006年05月01日

災難は空から降ってくるものだけれど、幸運も同じように降ってくるものなのだ。

災難は空から降ってくるものだけれど、幸運も同じように降ってくるものなのだ。
(メガネキョウダイ談)

※今回のお話も無意味に大変長いですので、ご注意を

突然ですが、我が相棒は人間というよりかは、妖精の範疇に入るのでは?
と思えてならないメガネ。相棒曰く、「いや、私にとってはミケーレさんの方がよっぽど妖精に思えるし」だそう・・・まあとにかく、メガネの周りにはどうやら2匹の妖精さんが居るようなのです。ふふふ。まあ、どうでもいいことだけれど。

さて、今日は楽しいお引っ越し。
昨夜ようやく探し当てたアパルタメントまで、この一ヶ月でなにげに増殖している荷物をせっせと運ばねばならなくなったメガネ。
何もかもが急すぎて、全然余裕を持って行動する事が出来ません!
とりあえず、重い重いスーツケースと、多少なりとも荷物を詰め込んだリュックを背負っての出発。
と、その前に!マンマの家に借りるお部屋の鍵をもらいに行かねば。
てことで、昨夜約束した通り、午前10時ちょっと過ぎに鍵をもらいに行ったメガネ。
それなのに、ああ、それなのに・・チェントロの外れにあるヴィア・パンタネットまで、てくてく歩いてようやくマンマの家に到着!と思ったら、マンマの義理の娘であるマリーアントニエッタさんが登場、
「あっ!あなた達荷物は?まだ、アパルタメントかしら?
今日はね、車で送る事ができないの。私の車はサンタカテリーナ通りまで入る事が出来ないし・・・だから12時にあっちのアパートの前で待ち合わせしましょ?
荷物はタクシーで移動させれば良いからね?じゃ、いいかしら?」
とおっしゃるのですよ。
せ、せっかくここまで歩いてきたのに・・・と思いつつも、そんな様子はかけらも見せず、
「シイ(はい)!オカピート(わかりました)。ア・ドーポ(あとで)!」
とにこやかにお別れしたメガネキョウダイ二人組。
ええ、日本人とはそういうものです(笑)。どうせ、昨日の電話もマンマが一人で勝手に約束しちゃったんでしょうしね。うんうん。

結局、鍵がもらえないのなら勝手に出発する事も出来ないな、ということで、11時30分ごろまで、サンタカテリーナの旧アパルタメントで時間をつぶしたメガネ。
ちょっと小腹がすいたのと、荷物の整理もかねて、パンに芋サラと、トンノ(マグロ)とトマトのソースを挟んだ品を作ってくれた相棒。
0501.002.jpg

とっても美味しかったです。ふふふ。
メガネがそれをムシャムシャむさぼっていると、シャワーからあがったばかりのしっとり濡れた男前ホリ君が登場。
「これから出発なの?」
といつものごとく心配げに聞いてくれるのです。
昨日、メガネの隣に住むマッチョ君の部屋の鍵を貸してもらった(インテリメガネ・マッチョコンビは何処かにバカンス中で留守だった)ので、いっぺんに運べない分は、マッチョ君のお部屋に荷物を一時置いておく事ができることになったメガネ。
「マッチョ君のお部屋にちょっと荷物が置いてあるけど、本当に大丈夫かな?いつまで置いておけるの?それから、あの部屋の差し込み口を借りてネットに繋いでも良かなあ?」
と尋ねると、ホリ君はしばし考えて、
「君たちに問題が無ければ、僕の部屋に荷物を置いておいた方が良いかもしれないな?マッチョ君(ホリ君はちゃんと本名を呼んでましたけど)は今夜帰ってくるんだ。何時になるかよくわからないから、心配だったら、僕の部屋に置いておけば良いよ。僕はこれから友達とフィレンツェに行くからねっ。
僕らが帰って来るのは夜の10時過ぎだし、僕の部屋は鍵をかけないから自由に使えるし、インターネットも使って良いしね?」
と言ってくれたのでした。な、なんて優しいのホリ君!
まあ、とにかく、そんなこんなでホリ君の優しい心遣いにより、ホリ君のお部屋に荷物を置かせてもらい、玄関の出入りのために予備の鍵まで貸してもらったメガネなのでした。
それにつけても、このアパルタメントにやってきた時は、スーツケース(重くはあったけども)と、リュックだけだったはずなのに・・気づけばいろいろな雑貨が増えて、ビニール袋6袋分ぐらい余分な荷物が出来てしまったのには、さすがに愕然としたメガネ。
食べるものや飲むもの、日常に使う品って結構多いものなのですねえ・・・。シクシク。

とりあえず、「ちょっと」とは言えない量の荷物を置き去りにして、重いスーツケースをタクシー乗り場までズリズリ引きずって行ったメガネキョウダイ。
周りの観光客からは奇異の目で見れるし、スーツケースは石畳に引っかかって全然前に進んでくれないし、重いし、手は痛いし、足は引きつるし、もう大変!なのでした。
(※みなさまも、イタリアにお出かけの際にはスーツケースの車輪が大きい品か、横に倒して引きずれる品を選ぶように心がけて下さいね?でないと、メガネのように大変な目に遭いますから(笑))

それでもなんとか、5分の道のりを20分ぐらいかけてタクシー乗り場までヨロヨロたどり着けたメガネ。ふう。死ぬかと思った。
そんなこんなで、這々の体でアパルタメントに到着したメガネをマリーアントニエッタさんがにこやかに迎えてくれたのでした。ふうふう。
新居では、昨日までマットのままだったベットがとっても可愛らしくメイクしてありますよ?
あれ?でも、よくよく見ると毛布はペラリと一枚で、あとは薄っぺらいおおい布だけ??絶対寒いと思うんだけど・・・。
まあ、とにかく荷物を置かせてもらうと、鍵などの説明を受けたメガネ。
ついでにチェントロまで一緒に送ってもらう事に。

そしてまた、残った荷物を運びに旧アパルタメントへ。
残された荷物を眺めながら
「あと、何往復になると思う?」
「う・・多分、2、3往復は固いと思う・・」
「1時間で完了できるかなあ(イタリアのバスは1時間乗り放題)」
「う〜〜〜ん。」
なんて会話をしつつ、少しだけビスコッティをカジってから、再出発。はぁ・・。

なんとか2回で済ませようと、持てるだけの荷物を両手に抱えつつリュックを背負い、よろよろしながら階段を下りていると・・・
「ボナセーラ!」
の声。
ハッと顔を上げると、アパルタメントの用務員さんじゃないですか。
「君たちもう旅立つのかい?」
と、彼。
「うん、でもまだ荷物が残っているから往復するけど」
と答えるメガネ。
すると、
「そうか、それでその荷物、何で運ぶの?タクシー?」
と彼。
「ううん!バスで運ぶんだよ?」
と答えるメガネ。
すると一瞬「えっ?」という顔をした彼。
困惑した様子で
「バス?バスを使って行くつもりなの?でも今日はバスは走ってないよ?」
とあっさり言い切ってくれたのですよ、これがまた。
「ええええ!!なんで!!なんでバス走ってないの!!?」
と驚くメガネに、
「君たち知らないの??今日は5月の1日だよ?日本でもあると思うけど、今日は労働者の日なんだ。だからバスは動いてないんだよ?」
と、にこやかに教えてくれたのでした。
マンマミーア!!
「メーデーかーっ!」
事態が脳に伝達されるまで数秒を要し、そしてその事実に改めて愕然とするメガネ2人。
イタリアのバスがしょっちゅうショーペロ(スト)をするのは知っていても、自分が乗る時に限っては絶対にしないものだと思うのが人というものですよ。うんうん。
しっかし、なにもお引っ越しの日がメーデーじゃなくっても・・・
急なお引っ越しのうえに、この仕打ちですかっ!マードンナ!
チェントロから歩いて45分の距離をこんな荷物持って行けませんよ?絶対に。
それじゃあ、タクシー?またタクシーなの??
タクシー1回の輸送量が約8ユーロ・・・。
お金、かかっちゃうよ・・・。
ぐるぐるまわる思考の中、出る言葉と言えば、
「どうする?」
「どうしよう・・・」
またしても思いもよらない展開に、にっちもさっちもいかなくなったメガネキョウダイ。重い荷物を両手と背中に抱えたまま、呆然と立ち尽くしたのは書くまでもないのでした(笑)。

そんなメガネの様子を見かねたらしい彼。
哀れみに満ち満ちた瞳で、
「ちょっと待ってて!大家さんに聞いてあげるから,もしかしたら彼が車で送ってくれるかもしれないから!ちょっと待ってて!」
なんて、言ってくれたのですよ。
「ええっ!!」
こ、これぞ妖精効果!!??
そうしてドキドキしながら待つ事1分、
「良かったね、大家さんが車で送ってくれると言っているから、早く荷物を玄関まで運んじゃいなさい?」
と、にこやかに知らせてくれた彼なのでありました。
OH!!Dio!!Dio!!
まさに、捨てる神あれば、拾う神あり!!一気に地獄から天国に!ティラミスー!!なのだ。ふふふふっ。

彼の指示に従い、急いで荷物をまとめたメガネ。確実に3往復分はあったろう荷物を駆け足で玄関まで。
重い扉をギイイイッと開けると、もう既にバスコじいさんが白いFiat Pandaを停めて待っててくれたのでした。
あの小さな車体一杯に荷物をドカドカ詰め込むメガネに、
「おやおやおや、なんてたくさんの荷物なんだ!おやおや。」
とバスコじいさんもあきれ顔。
それでも、ちゃあんと全部載っけて運んでくれたのですよね。
アパルタメントまでの道すがら、
「こんな事になってしまってごめんね?」と改めて謝ってくれるバスコじいさん。
そして、
「パソコンは持って行くの?インターネットは無いんでしょ?携帯電話か、普通電話回線でするの?あれは転送速度が遅いからねえ・・・」
なんて、お得意のパソコン談義に。

うちのカッティービ(悪ガキ)達が言うには「stronzo!!」な意地悪大家さんらしいのだけれど・・・。メガネからすると、バスコじいさんといい、パオラさんといい、アンナさんといい、皆さん意外といい人なのですよね?おかしいなあ。
だって、本当に意地悪だったら送ってなんてくれませんよねえ?
部屋だってギリギリだったけど「空いたよ」ってわざわざ携帯に教えてくれたりして。
前のイタリア滞在の時も、他の人にとっては「嫌な人」である大家さんが、メガネにとっては存外いい人だったんですよね。不思議な事に。
どうやらその不思議がまた起こっているらしいのです。
それもこれも、幸運を呼ぶ妖精さんのおかげなのかしら・・。ふふふ。

まあ、こうしてメガネのお引っ越しは思ったよりも楽な状況で無事完了。
しかもバス代もタクシー代も浮いちゃいました。ふふっ。
驚く程あったローバ(物)も、すんなり一気に移動する事が出来ちゃったし。
なかなか幸運なお引っ越しと相成った訳なのです。うん。

この後、またもバスコじいさんと一緒にチェントロに戻ったメガネ。
最後のメールチェックのため残しておいたMacintoshを取りにホリ君の部屋に。
お礼の言葉をメモに残して、1ヶ月住んだ「煩い我が家」を後にしたのでした。
チベディアーモ!ア・ジュンニョ!
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ああ、疲れた。
海外での、足の無い急なお引っ越しは大変過ぎます。ふうっ。
これをまた1ヶ月後に繰り返すのかと思うと、真剣に逃げ出したくなるメガネ。
みなさまも、海外でお住みの際は、無駄にでっかいスーツケースは持って行かず、無駄な品物も増やさないよう、しっかと心がけるのが良いかと思います。
でないと、メガネのようになりますよ?ふふ。

てことで、メガネのお引っ越し騒動はこれにておしまい!
(ホントはその後もいろいろあったのですけどもね(笑))。
それではボナのって!
明日は手と足の筋肉痛、確実だなあ・・。

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コメント

引っ越し完了おめでとう! 毎朝朝食後Kimboをペーパードリップで入れて飲みつつ朝刊に目を通すというのが習慣ですが、今日は休刊日で調子が狂うな〜と思いつつメガネさんのブログを開いたら、バッチリ読みでがあって楽しく朝のコーヒータイムを過ごせました。読んでると自分のまわりの空気がトスカーナになってきます。

青木さん、こんばんは〜。
激励ありがとうございます!!
メガネの生活が、青木さんのコーヒーのお供になれれば幸いです(笑)。
本当はもっといろんな事があるのですが、全然書く方が追いついてくれません。
メガネの珍道中はまだまだ続きますので、また朝にでもお楽しみくださいね?
ふふふ。

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