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2006年04月30日

部屋を探して三千里 パート2

パオラさん完了後、部屋を出て電話ボックスまで足早に急いだメガネ。
そんな短い時間急いだってなんにもならないってわかってても、気持ちは焦るものなのです。ええ。

電話ボックスに到着すると、とりあえずマンマの家に電話、電話。
「マンマ」というのは、メガネが6年前シエナに住んでいた時にお世話になったファミリーのマンマの事。
あの頃は寒かったり暗かったり怒られたり喧嘩したりで、いろいろと大変だったメガネなのですが、今となってはそれも良い思い出なのです(いや、当時は全くもって笑えない、というか尋常じゃない大変さだったのですけどもね、ふふふ)。
まあとにかく、先日6年ぶりにマンマの家にご挨拶に行った際に、
「あなた達、何処で部屋を借りてるの?」
から始まって、
「聞きなさい!私たちも部屋を持ってるのよ?ええ、そうよ、チェントロからは遠いけれど、コープからはとお〜っても近いのよ?コープよ、コープ!知ってるでしょ?ええ、知ってるはずだわ!コ・オ・プよ?
とっても大きくて、すんごく新鮮でとんでもなく安い品物が沢っ山売っているあのコープよ?!そう、あそこは素晴しいお店よ!そのコープのすぐすぐすぐすぐ近くなの!とってもとってもとってもとって〜も近くなのよっ?!
それにね、お部屋には大きなバルコニーもついてるのよ!バルコニーよ?!わかる?バ・ル・コ・ニー!!ね、素敵でしょ?
しかもね、とおっっても広いの!今は2人のイタリア人の女の子が住んでいるんだけれど,その子達ときたら、とんでもなくいい子達だから、色々教えてくれるわよ!ええ、そうよ、教えてくれるはずよ!!それでね・・・・・」
と延々聞いていもいない「貸し部屋」の素敵さを話し続けてくれてたのです。
当時は「また言ってるよ・・」程度、話半分しか聞いていなかったメガネナなのですが・・・もしかして、そのお部屋がまだ空いてれば借りられるのでは?と思い至った訳なのです。
どんなに「えっ?そんなお話聞いても仕方ないんですけど・・」と思っても、ちゃんと聞いておくものなのですねえ。うんうん。

そんな訳で、マンマに「コープにめちゃくちゃ近くて、広くて、バルコニーがっあって、とんでもなく素敵な」お部屋が空いているかどうかを聞くため、電話ボックスに急いだメガネなのでした(正しくは電話担当の相棒だけれど)。

数瞬の後、早速マンマと電話が通じた様子の相棒。
大きな身振り手振りを交えつつ,挨拶している模様。
そのままじっと観察していると、どうやらマンマが自分じゃよくわかんないから義理の娘のマリーアントニエッタさんに代わると言っているみたい。
しかしその直後、
「プロント(もしもし)?」「プロント?」と、にわかに焦り出す相棒。
心配しつつも様子を見ていると、
「プロント〜〜!!?」
「プ・ロ・ン・ト〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」
と、なんだか異様な大声を張り上げはじめるではありませんか。
ちょっと、ちょっと、さすがに電話ボックスとはいえ、そこまで何度も「プロント!(もしもし)、プロント!」叫んでると、「変な人」みたですよ?

見かねて、
「どうしたの?」
と、問うメガネに
「うん、なんかね、マンマがアントニエッタさんに電話を代わってくれたんだけどね、あっちの声は聞こえてもこちらの声が全然聞こえないみたいなの。」
「えっ?」
「だからなんかね、子機を持ってね、『オイオイオイ・・・ドベ・セイ?マリーアントニエッタ(やれやれやれ、マリーアントニエッタはどこよ?)・・オイオイオイ・・・ふうふうっ』って独り言を言いながらぺたぺた階段を上がるマンマの声とか足音とかはちゃんと聞こえてるんだけど・・・」
との事。
「オイオイオイ」はマンマの口癖みたいなもの。
日本の「オイオイオイ」にもちょっとだけ似たニュアンスというか、「やれやれ、まったく」みたいな時に、よく使うらしいのですよ。
まあ、とにかくマンマが「オイオイ」言いながら歩く音は聞こえても、肝心のお話の方が通じないんじゃ意味ないじゃいの!

結局、何度かかけ直したものの、応答が無い様子。
事態が緊迫してるだけに、「それじゃ、後で」という気分にもなれないメガネ。
「ね、もう一度かけてみなよ!?」
と急かしたところ、
「じゃあ!メガネがかけなよ!」
と怒られ、仕方なくメガネも苦手な電話に挑戦。

・・・プープープーの呼び出し音が聞こえたなと思ったら、
「プロント!じゃ、あなた達、明日のプリマポメリッジョにいらっしゃい!一緒に行くから!判ったわね!」
とマンマのでっかい声が・・・。
ええっ!いきなり通じてる??!
し、しかも明日??
一瞬困惑したものの次の瞬間には「シイ!」と答えてしまっていたメガネ。
これぞ、パブロフの犬効果(6年前に植え付けられた条件反射?!)。
でもこのまま切られたら困るんです!すかさず、
「マンマ!!マンマ!!プリマポメリッジョって何時!!」
と叫ぶメガネ。
日本人的感覚では、午後すぐってのは1時とか2時ぐらい?
でもお昼ごはんが3時のイタリアですよ?なんだか絶対に違う気がしたのですよね。ええ。イタリア人の時間区分って今ひとつよく判てないメガネなのです。はい。
あまりにつまらない事を聞くメガネに、
「何言ってるの!プリマポメリッジョって言ったら、プリマポメリッジョでしょ!もう!」
と怒りを隠せないマンマ。ええ、すみません、本当に。
そして、
「そうねえ、時間時間、時間だと・・・プリマポメリッジョは・・そうね、4時か、4時半ぐらいよ!あたりまえでしょ!??なんで知らないの!!
もう!わかった?よーく覚えておきなさい!それじゃ、明日のプリマポメリッジョにねっ!!」
ガシャン!!プーップーップーップーップーップーップーッ・・・・・。
って!言いっぱなし切りですよ!

・・・・・ふうっ。
やっぱり、6年経ってもマンマはマンマなのですよね。
とりあえず、明日ではあるけれど(ホントにギリギリ)1つ目の物件は確保できた模様のメガネ。

はい!マンマ一丁上がり!(多分)
さてさて、次!次!

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