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2006年05月09日

いざ行かん!おすすめのオステリアへ!

さて、教会を後にミケーレ号はくねくねくねくね曲がりつつ、猛スピードで進みます。
友曰く
「ここら辺一体は、いわゆるお金持ち地帯なの。Sivicile(ソビシーレ)って言って、凄く素敵なお家とかが沢山あるんだよ?」
とのこと。
なるほど、プロバンス風のお家もちらほら見える訳ですよ。
どうやらミケーレさんおすすめのオステリアもこの地帯にあるらしいのです。
車を飛ばしつつ、
「見てごらん!あれが、ジャッロ・ディ・シエナが取れるモンタニョーラだよ!」
と遠くに見える山岳地帯を指差して自慢げに教えてくれるミケーレさん。
「ええもう、それさっき聞いたばっかしですから!」
と思うメガネ。
たった数十分の道のりに、何回モンタニョーラ、モンタニョーラ言ったら気が済むのですか。
最後には、もう冗談だとわかっていたので、
「はいはい!モンンタニョーラ!モンタニョーラ!ジャッロ・ディ・シエナのモンタニョーラねっ!!」と、軽くいなす事が出来たメガネ。
ミケーレさんのお陰様で、「エトルースキ」と「ジャッロ・ディ・シエナのモンタニョーラ」は試験に出ても大丈夫なぐらいばっちり覚えられたメガネなのでした。
ま、役に立つのかはかなりな謎ですけれど。ふふふ。

そうこうしてるうちに森の中の一本道に、ちょっとした広場が見えてきましたよ?
と思ったら、そこが「オステリア ノンノ・ジュリオ」なのでした。
こんなの絶対普通の人には見つけられないな、と思ったメガネ。
ミケーレさんが教えてくれるお店は、すべからく「山の中にある一軒家」みたいなところばかりなので、一度連れて行ってもらって気に入ったとしても、ちょっとやそっとじゃたどり着けない場所ばかりなのです。
う〜〜ん、ここも目印が何も無い、森の中の一軒家なのですよ。

車を駐車場(という名の砂利広場)に停め、降り立つメガネ達。
目の前にあった建物を見て、ここがそうか!とパシャリ。
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そうして、ずんずん進むミケーレさんの後について行くと・・・。
あれ、こちらの建物じゃないの?

オステリアだと思った建物を見事無視し、その左側ににひっそりと佇む小さな建物の方に吸い込まれていくミケーレさん。
「こっちか!」
と思うメガネだけど、時既に遅し。
てことで明るいうちにオステリアの写真は撮れませんでした。
撮れたのはおそらくオステリアのご家族が住んでいらっしゃるだろう何の変哲も無い民家。
だからこれはとっぷり暮れた帰りぎわの写真なのです。
ほろ酔い加減のメガネだっただけに、画像もほろ酔い加減なのです(笑)。
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さて、うっすら暗い店内にて、メニューを受け取り吟味する我々。
「ここはねえ、お肉料理がおすすめなんだって」
と友。
「なるほど、それじゃあお肉を食べなきゃね?」
とメガネ。
でもメニューを見ても、今まで見た事無いようなお品書きばかりで、何がなんだかわかりませんよ?
仕方なく、友に頼んで一つずつ説明してもらうことに。

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「これはねえ、牛の首の部分のお肉なの。こうハムみたいに油に囲まれてて美味しいんだよ?」
「ふんふん、それから?」
なんて友から説明を受けている間、
「そう、それでこれがモンタニョーラで取れた肉なんだよ!」
とか、
「そうそう!これがねっ、モンタニョーラのサラミなんだ!」
とか、
「これこれっ!これが、モンタニョーラ産、ズッパなんだ!」
とか、一人「モンタニョーラ」にはまりまくりなミケーレさん。
「なんか、今日は調子に乗っちゃってるみたい・・・」
とあきれ顔の友。
でも、いいですよね、楽しくて、ね、ミケーレさん?
そして、最後の最後まで注文が決まらなかったのも、何を隠そうミケーレさんなのでした。「モンタニョーラ」って言うタイミングばっかり計っているからですよ?
ふふふ。

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はい、まずはビーノから。
定番の、ハウスワインの赤。
何度でも書きますがシエナではだいたい何処で飲んでもワインは美味しいのです。もちろん、テーブルワインでもですよ?
そしてフリッザンテの水。
ちょっと店内が暗すぎて、全体的に画像の色味が悪いのはどうぞお許しあれ。メガネの力不足なのです。トホホ。

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そしてこれまた定番のパン。
これは、可もなく不可もなくと言った感じ。
あまりこのお店はパンにこだわっていないようです。うん。

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まず初めはこれ、アンティパスト。
「アンティパスト・ノンノ・ジュリオ」
給仕のお姉さんおすすめの一品。
一応これ、一人分ですからね、念のため。それを4人で分ける事に。
一人でこれだけ食べたら、それでお腹いっぱいだと思うんだけどなあ・・。
クロスティーニに、オムレツに、パイに、数種類のサラミと生ハム。
サラミも全部種類が違ってて、お味もそれぞれ。
しょっぱいのかな?と思ったら、意外と甘いドルチェな出来となってました。
これだと、パルマ系になるのかな?お味的には。
もちろん、自家製だと思いますけど。ワインと一緒に口に含むと何とも言えない風合いがして・・・ん〜ふふふふ、なお味でしたっ。

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こちら、アッチューゲ(カタクチイワシの塩漬け)。
たっぷりのオイルとプレッツェーモロとあえてある定番のもの。
すんごく塩っからいです、念のため。
本当は、アリンゲ(にしん)を頼んだはずなのですが、サーブされてきたのはアッチューゲだったのです。まあ、いいか。
アリンゲ、食べた事無かったから食べたかったんだけどな・・。
これは次回のお楽しみに。うん。

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取り分けました。
4枚のクロスティーニ。
黒いのは定番レバーペースト。白いのが何かのマヨネーズ和えみたいな感じ、多分、キノコ類のみじん切りが入ってました。
緑のは・・・なんだろう空豆かな?よくわかりませんでした(笑)、そして期待のピンクは・・ランポーネ?かな?甘くて、でもちょっぴり酸っぱくて、お菓子みたいに楽しめました。
奥の緑の固まりは、塩っからいアッチューゲです、念のため。

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トスカーナパンにトマトが乗っているフェットゥンタ(ブルスケッタ)。
たっぷりトローリかけられたオリーブオイルの風味で頂きます。
左はハムやほうれん草などを混ぜ込んで焼いてある厚焼きオムレツ。しっかり固めに焼いてあるキッシュみたいなものです。
右奥は、まあるいパイ生地に何かのクリームソースが入っていました。トンノかなあ・・。
サクサクッ、トローリという食感。マヨネーズ味でした。
どれもこれも美味しかったのですが、的確に何が入っているのかがいまいちわからなかったメガネです。
しかも、輪郭もつかめない程激しくぼかし入ってしまいました。ごめんなさい!(笑)

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こちら、給仕のおじさま。
なかなかお優しい方でした。
イタリアにしてはチョビットずつしか頼まない我々に対し、
ちゃんとお皿を人数分分けてくれたりして、凄く親切だったです。

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はい、こちらミケーレさんご所望の品。
パスタを頼んだら、なんと!ハート形に!素敵!!
「クオリ・アル・フォルマッジ・イン・サルサ・ディ・ノーチ」
中身のフォルマッジョは多分リコッタかと。
上にかかっているソースは読んだまんま、クルミをつぶしたもの。
口に含むと、今まで一度も食べた事の無い味わいが。
クルミは生のものをその場でつぶしてソースにしているのか、独特の青味が感じられ、なんともいえない不思議なお味に。
青臭いクルミ風味のパスタという風合いでした(笑)。でも、その青臭さが却って良かったりして、なかなか美味しかったですよ?
なんか、新たなる出会い!という感じかな。

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相棒が強く希望したのは、またしてもこれです、これ。
定番中の定番!
リッボリータ(相棒はこれが大好きなのです)。
豆と野菜とパンのごった煮。
入っているお野菜は、ニンジン、タマネギ、お豆に、キャベツにちりめん(黒かも)キャベツ。
お味の方も、定番中の定番なのです(笑)。

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ここでひと味違ったのが、リボッリータと一緒に出された、これ!
生のタマネギですよ、生のタマネギ。そして塩。
給仕のお姉さん曰く
「これは、刻んで入れても良いし、塩を付けてかじりながら食べても良いのよ」
との事。
なるほど、日本の薬味しょうがみたいなものなのですね。
早速メガネ、リッボリータを食べながら、塩を付けたこれをポリポリ。
ん?あれ?甘い??
日本のタマネギと違って、とっても甘くていいお味なのです。
それに、意外と合う?
リッボリータを口に入れたら、すぐさまこれに塩を付けてポリポリ。
お口の中での味わいのハーモニーが大好きなメガネ、
おっ、これはなかなかどうして・・・。
ん〜、なにげに病みつきになりそうなお味なのです。

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お次は、野菜のロースト。
黄色いのがピーマンの焼いたもので、あとは茄子、ズッキーニをそれぞれ焼いて、たっぷりのオリーブオイルで和えてあります。
これ、2皿サーブされてきてて、
「一皿しか頼んでないのに、2つにわざわざ分けてくれたんだねえ」
なんて感動していたのですが、
お会計してはじめて、本当に二皿注文が水増しされていた事が判明!
あまりに少ない注文に、お姉さんサバを読んだか!(笑)
でも、甘くて美味しいお野菜だったから良かったんですよね。うん。

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そして友ご所望の品がこちら。
ドイツ風に言うとアイスバイン!??
ええっと、イタリア風に言うと
「スティンコ(豚のすね肉の部分)のロースト」
すね部分をドカン!とローストしただけという、なかなか豪快な料理です。
写真だと小さく見えますが、男の人の拳二個分ぐらいはあって、結構大きいのですよ?

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おっ!早速切りにかかるミケーレさん

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うわ〜っ、めっちゃ嬉しそうですよ!!

ちゃんと皆の分を切り分けてから、骨の部分を丸ごと頂いてホクホク顔のミケーレさんなのでした。
そして、このお肉、ちょっと驚きの美味さでした。
もっと脂っこいのかと思いきや、濃いいお味の赤身のお肉部分がほとんど。まことに野性味あふれるお味で、まさに相棒好み。
ムシャムシャ野獣のごとく食べちゃってました。
でも、友曰く
「ここの部分のお肉はねえ、なかなか無いの。今までこの部分のお肉をお店で見た事が無くて・・・ここで始めて見つけたんだよ?」
とのこと。
ん〜〜、これが食べたかったらまたこのお店に来るしか無いのかっ!
本場のアイスバインには多少劣るかもしれませんが、頼んだ友よりも、相棒がおすすめ!となったの一品なのです。ほんとに骨のまわりにくっついたお肉好きだよねえ・・。

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そして、こちらがメガネの頼んだ品。
「タリアータ・アイ・フンギポルチーニ」
ローストビーフ風に軽く火を通した牛の薄切り肉に、ポルチーニ茸のクリームソースがタップシかかってました。
こ、これは見るからに美味しそうっ!!
実はメガネ、もっと厚切りのノンナジーナで食べたような野性味あふれる品が出て来るのかと思っていたのですが、これは嬉しい想定外。
イタリアでこんな繊細なお料理と出会えるとは!
薄くスライスしてあるお肉に、たっぷりのポルチーニをクルリと巻いて食べると、サクサクッ、トローリ、ジュワーっとお肉とクリームの味がお口の中に広がるのです。
そして最後にポルチーニの香りが鼻からふうわり抜けて行くのですね。
ああ、なんて美味しいの!(笑)

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こちら給仕のお姉さん。
この通り、愛想はほとんどと言っていい程ありませんでしたが、とにかく親切。
友やミケーレさんが1つ質問すると、それについて10ぐらい丁寧に説明してくれるのです。
だから、聞きやすかったし、わかりやすかったです。
初めは怖そうで、写真も撮れなかったのですが、最後には「大丈夫そうかな」とパシャリと写した小心者のメガネなのです。

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そして最後の〆はこちら。ええ、まだ食べちゃいますよ?
「セミフレッド・フルッティディボスコ」
冷たいドルチェです。
セミフレッドとは、簡単に説明すると、生クリームを凍らせたもの。
食べると、そうですねえ、メレンゲみたいな心もとない不思議な食感。口の中でサクサクッ、ジュワッって溶けていって、でもほんのり冷たい、みたいな感じです。
ん〜、このドルチェはまあまあ、という事で(笑)。
イタリアのドルチェはなんでこう・・・・なんだろうと思うメガネ。

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そして、酒豪のお二人はこちら。
アマーロとすんごく強い、とにかくものすごく強い、レモンかなんかのお酒(多分)。
だって、給仕のお姉さんが
「これはね、とにかく強いのよ、あのアマーロよりもずっとよ!」
とあまり飲む事を勧めない風の言い方をしていたのに
「じゃあ、それ試します」
と、けろりと答えた友なのです。お姉さんも感心。
うん、さすが(笑)。
あ、もちろん、お二人ともぺろりでしたよ、ふふふ。

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ふうっ、食べた食べた!
ってことでお会計です。
おじさん、アイスクリームをかじりつつ、会計してくれました。
可愛らしい・・・。

この時既に時刻は夜の11時を軽くまわって12時近くだったかな?
なんだかんだと、4時間近く居座っていたメガネ達なのです。
そりゃ、アイスも食べたくなりますよね?ふふふ。

こうして、オステリアでの素敵な時間は終わりを迎えたのでした。
そんな頃にはほろ酔い加減の友はぐらぐらと船を漕ぎ、
車の中ではまさに、右に左に揺れる揺れる、川面のウキのようになってました。
ミケーレさんにお家の前まで送ってもらった頃には、時刻も既に12時をずいぶん回ってました。
夕食を食べに行って、帰りが夜中過ぎなのですから、ああもう、すっかりイタリア時間ですね。うんうん。

こうして、気分も上々に、シエナの夜はとっぷりと更けて行くのでありました。
ふう、お腹いっぱい、幸せ一杯のメガネキョウダイなのでした。

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